新人バイトは時間ぴったりにやってきた。

制服であるグレーのワンピースにアイロンがピシッとかかったエプロンを付けて、初々しい佇まいだ。
肩に掛からないくらいのボブヘアに耳の横で目立たないように黒のヘアピンで髪を留めている。
清潔感のあるそれでいて初々しい感じが、なんともむず痒い。
自分も初めてバイトに入った日はこんなだったかと少し思い出してしまう。

「あの、今日からお世話になります、春宮千草です。よろしくお願いします。」

パントリーの入り口でペコリとお辞儀をして、春宮さんが挨拶をした。

「春宮さんは今日はパントリー担当ね。つっちーがいろいろ教えてくれるから。つっちーの指示に従って。」

瀬尾さんが言う。
瀬尾さんは俺たちバイトのリーダーだ。

「わかりました。土橋さん？よろしくお願いします。」

俺の胸ポケットに付いている名札を確認しながら、春宮さんが頭を下げた。