香月さんも稲垣さんも、仕事中は不穏な空気をまったく感じさせず、いつも通りの働きっぷりだ。
片付けで香月さんと一緒になった。
聞くつもりはなかったけど、ちょうど二人っきりになったので、興味本意で聞いてみた。
「何かあったんですかー?」
あくまで、軽い口調だ。
本気で聞いたら二人のケンカに巻き込まれてしまう。
けれど香月さんは、いつもの凛とした姿に若干怒りをまとわせながら、冷ややかな目で俺を見る。
「それ、聞いてこいってアイツから頼まれたんでしょ?」
「いや、そういうわけじゃ。」
香月さんの冷たい言葉に、思わず言い淀んでしまう。
「そういうところが余計に腹立つ。」
吐き捨てるように言う。
これは俺の出る幕ではないなと一人ごちていると、
「あいつ、話し合いとか知らないわけ?人の機嫌伺う前に言うことあるでしょう?土橋くん、どう思う?」
と、香月さんは俺に質問してくる。
これは下手なことは言えなと、苦笑いで答える。
「ええっと、ちゃんと会話することは大事だと…思います。」
自分で言っておきながら、ちゃんと会話することは大事という言葉が胸に突き刺さった。
ちゃんと会話しなきゃいけないのは俺だ。
片付けで香月さんと一緒になった。
聞くつもりはなかったけど、ちょうど二人っきりになったので、興味本意で聞いてみた。
「何かあったんですかー?」
あくまで、軽い口調だ。
本気で聞いたら二人のケンカに巻き込まれてしまう。
けれど香月さんは、いつもの凛とした姿に若干怒りをまとわせながら、冷ややかな目で俺を見る。
「それ、聞いてこいってアイツから頼まれたんでしょ?」
「いや、そういうわけじゃ。」
香月さんの冷たい言葉に、思わず言い淀んでしまう。
「そういうところが余計に腹立つ。」
吐き捨てるように言う。
これは俺の出る幕ではないなと一人ごちていると、
「あいつ、話し合いとか知らないわけ?人の機嫌伺う前に言うことあるでしょう?土橋くん、どう思う?」
と、香月さんは俺に質問してくる。
これは下手なことは言えなと、苦笑いで答える。
「ええっと、ちゃんと会話することは大事だと…思います。」
自分で言っておきながら、ちゃんと会話することは大事という言葉が胸に突き刺さった。
ちゃんと会話しなきゃいけないのは俺だ。