春宮さんの携帯に連絡してみるが、出ない。
メッセージを送っても既読にならない。

突然連絡の取れなくなった春宮さんに、俺は焦りを覚えた。

まさか、猫に戻った?

もしかして、もうこのまま会えなくなるのではないか。
そう思うといてもたってもいられなくて、彼女の家に行こうと思った。
だけど、春宮さんの家は知らない。

「くそっ。どうしたらいいんだ。」

俺は空を仰いだ。
秋の空は澄み渡っていて、吸い込まれそうだった。
一度深呼吸をして自分を落ち着かせる。

そうだ、春宮さんが猫だというなら、寝子池神社にいるんじゃないか?

ひとつの希望を見出して、俺は本能のままに駆け出していた。
春宮さんに会いたい。