結局他の宴会場は時間いっぱいまで賑わって、俺たちの仕事が終わったのは23時近かった。
お客さんも客室へ捌けていって、通路の照明も間引きで落とされている。
ホテル内はしんと静まりかえっていた。
もうすっかり送り火も花火も終わってしまっている。
ロッカーで着替えてタイムカードを押し外に出ると、ちょうど春宮さんも出てきたところだった。
俺を見つけると、トテトテと駆け寄ってくる。
「土橋くん、送り火見せてくれてありがとう。」
にこりと微笑みながら、春宮さんが言った。
スカートをふわりと翻しながらたたずむその姿がまた可愛らしい。
制服とは違う柔らかな印象に、俺はまた心が踊るようだった。
「もう遅い時間だけど、もし春宮さんが良ければ少しだけ裏山へ行かない?」
「えっ?」
送り火と花火のお祭りのような雰囲気を、春宮さんにも見せてあげたいなと純粋に思った。
だけど言ってすぐに気付く。
「あっ、門限とかあるかな?」
時間は23時だ。
女の子をこんな遅い時間に連れ出そうだなんて、何てヤツだ。
もっと考えて発言すればよかったと後悔したが、意外にも春宮さんは、
「ううん、行く。」
と、言ってくれた。
二人並んで歩きながら、裏山を目指す。
池の畔では、まだ少し屋台が空いていた。
空いているというよりは、片付けをしながら売れ残りを捌いてしまいたいといったところのようだ。
お客さんも客室へ捌けていって、通路の照明も間引きで落とされている。
ホテル内はしんと静まりかえっていた。
もうすっかり送り火も花火も終わってしまっている。
ロッカーで着替えてタイムカードを押し外に出ると、ちょうど春宮さんも出てきたところだった。
俺を見つけると、トテトテと駆け寄ってくる。
「土橋くん、送り火見せてくれてありがとう。」
にこりと微笑みながら、春宮さんが言った。
スカートをふわりと翻しながらたたずむその姿がまた可愛らしい。
制服とは違う柔らかな印象に、俺はまた心が踊るようだった。
「もう遅い時間だけど、もし春宮さんが良ければ少しだけ裏山へ行かない?」
「えっ?」
送り火と花火のお祭りのような雰囲気を、春宮さんにも見せてあげたいなと純粋に思った。
だけど言ってすぐに気付く。
「あっ、門限とかあるかな?」
時間は23時だ。
女の子をこんな遅い時間に連れ出そうだなんて、何てヤツだ。
もっと考えて発言すればよかったと後悔したが、意外にも春宮さんは、
「ううん、行く。」
と、言ってくれた。
二人並んで歩きながら、裏山を目指す。
池の畔では、まだ少し屋台が空いていた。
空いているというよりは、片付けをしながら売れ残りを捌いてしまいたいといったところのようだ。