俺の問いかけに対して、章吾は訝しげな声を出した。よく考えてみれば章吾が月白神社に行ったことを俺は知っているはずがない。
しどろもどろになりつつも、なんとか誤魔化す。納得してくれたかどうかは別として章吾は事情を説明しはじめた。
『うちのじいちゃん、あの近くに住んでて神主さんと同級生なんだよ。で、昔からちょくちょくく足を運んでてさ。最近は、俺もじいちゃんもめっきり足が遠のいていたんだけど、じいちゃんちに行ったついでに、ちょっと寄ったんだ。なんかバレエのことでいろいろ悩んでるのを断ち切りたいのもあって』
なるほど、と納得しかかり俺は章吾が神社に行った理由よりも、違うところに食いつく。
「あそこの神主さんを知ってんのか!?」
『え、いや、まぁ。俺よりも知ってんのはじいちゃんだけど』
少し引き気味になっている章吾に俺はかまわず続ける。
「神主さんに孫がいるだろ? 知ってるか?」
章吾の返答はなんとも微妙なものだった。無理もない。章吾自身、神社に訪れたのは久しぶりだと言ってたわけだし。
にしても、こんな偶然ってあるのか? この際、偶然でも運命でもなんでもいい。それこそ、きっと縁だ。このチャンスをみすみす逃すわけにはいかない。
こうして俺は章吾に必死に頼み込んで、月白神社や神主さんについて章吾のじいちゃんに話を聞く段取りを強引に取り付けたのだった。
しどろもどろになりつつも、なんとか誤魔化す。納得してくれたかどうかは別として章吾は事情を説明しはじめた。
『うちのじいちゃん、あの近くに住んでて神主さんと同級生なんだよ。で、昔からちょくちょくく足を運んでてさ。最近は、俺もじいちゃんもめっきり足が遠のいていたんだけど、じいちゃんちに行ったついでに、ちょっと寄ったんだ。なんかバレエのことでいろいろ悩んでるのを断ち切りたいのもあって』
なるほど、と納得しかかり俺は章吾が神社に行った理由よりも、違うところに食いつく。
「あそこの神主さんを知ってんのか!?」
『え、いや、まぁ。俺よりも知ってんのはじいちゃんだけど』
少し引き気味になっている章吾に俺はかまわず続ける。
「神主さんに孫がいるだろ? 知ってるか?」
章吾の返答はなんとも微妙なものだった。無理もない。章吾自身、神社に訪れたのは久しぶりだと言ってたわけだし。
にしても、こんな偶然ってあるのか? この際、偶然でも運命でもなんでもいい。それこそ、きっと縁だ。このチャンスをみすみす逃すわけにはいかない。
こうして俺は章吾に必死に頼み込んで、月白神社や神主さんについて章吾のじいちゃんに話を聞く段取りを強引に取り付けたのだった。