『ブルーマンデー』という言葉はあながち的を射ている。月曜日はどうも憂鬱だ。新月は今週の金曜日。その日までに俺ができることはなんなのか、必死に考えていた。

『それこそ無意味なんだよ』

 ユイのためといって余計な真似をして足掻く方が馬鹿なのか? 残されたユイとの時間をどう過ごすかを考えた方が有意義なのか?

 答えが出せないまま放課後になり、図書室に行って普段は見向きもしない郷土史の本に手を伸ばしてみる。少しでも月白神社、もしくはユイのことがなにか分かればと思って。

 けれど、これといって手がかりになるようなものは見つからない。内容が難しい、というのももちろんあるのだが。

 そのときポケットの中のスマホが震えたので、俺は人目につかないところで確認してみる。電話の相手は章吾だった。

 何事かと思って慌てて出てみると、どうやら昨日のお礼を告げるためにわざわざ電話してきたらしい。律儀なやつだ。

 そして、続けられた言葉は『やっぱりバレエをもう少し続けてみる』という内容でどうやらこっちが本当に伝えたかった話らしい。

 俺は笑いをかみ殺して『そうか、頑張れよ』とだけ返した。続けて、今更になって気になっていたことをふと思い出す。

「そういえば章吾さ、なんで月白神社に行ったんだ?」

 憲明を神社で見かけた数時間前、ユイの話によると章吾もあそこに参拝に来ていた。憲明みたいにたまたまというわけではないだろうし。