自宅に帰ってきた後も、俺は妙な高揚感と疲労感に襲われていた。気持ちが落ち着かないとでもいうのか。そして俺はユイに見せてぶり以来にクローゼットを開けた。しまっていた衣装を教室に持っていくために。
「また、誰かが着てくれるといいね」
「そう願ってるよ」
どこか寂しそうにしているユイに短く答える。この衣装も、こうやってクローゼットでずっと眠っているよりは、また舞台に立ってスポットライトを浴びた方がいいだろう。
気に入っている衣装は記念に手元に残すことにして、それをより分ける。
「そういえば、シュウくんの踊りを見てバレエを習いだした子がいるって……なんだか嬉しいね」
ユイは笑顔で今日の話題を出してきた。
辞めたときは、結果を出せなかったことばかりに気を取られて、バレエをしていたのがすべて無意味に思えた。費やした時間が無駄だったとさえ感じた。でも今はそう思わない。
「……今日、章吾たちが来る前に話してたことなんだけど」
思いきって切り出すとユイはいささか唇を尖らせ、不機嫌になる。
「またその話? もういいよ」
「よくないだろ!」
またつい声を荒げてしまう。いつも朗らかで、人の事情には遠慮なく首を突っ込んでくるくせに、ユイは自分の話になると別人みたいに冷たい反応を見せる。
それがどうしてかは俺には理解できない。
「また、誰かが着てくれるといいね」
「そう願ってるよ」
どこか寂しそうにしているユイに短く答える。この衣装も、こうやってクローゼットでずっと眠っているよりは、また舞台に立ってスポットライトを浴びた方がいいだろう。
気に入っている衣装は記念に手元に残すことにして、それをより分ける。
「そういえば、シュウくんの踊りを見てバレエを習いだした子がいるって……なんだか嬉しいね」
ユイは笑顔で今日の話題を出してきた。
辞めたときは、結果を出せなかったことばかりに気を取られて、バレエをしていたのがすべて無意味に思えた。費やした時間が無駄だったとさえ感じた。でも今はそう思わない。
「……今日、章吾たちが来る前に話してたことなんだけど」
思いきって切り出すとユイはいささか唇を尖らせ、不機嫌になる。
「またその話? もういいよ」
「よくないだろ!」
またつい声を荒げてしまう。いつも朗らかで、人の事情には遠慮なく首を突っ込んでくるくせに、ユイは自分の話になると別人みたいに冷たい反応を見せる。
それがどうしてかは俺には理解できない。