2

 パーティーを翌日に控えた夕方。前日準備のため再び獅子倉家を訪れているルイの代わりに、良太は『ボヌール・ドゥ・マンジェ』の店番をしていた。

 といっても、電話応対と荷物の引き取りという、相変わらず気軽なものである。

「これでそこそこの時給貰えてるんだから、ルイさんにはほんと感謝しないとなぁ」

 しみじみと呟きながら、暇つぶしにしろたんのゲージを覗き込む。

 ゲージの隅で丸くなり、もふもふのボールのようになって、しろたんはスヤスヤと眠っていた。

「かわいすぎる……」

 しろたんの存在は、良太にとっての癒しだった。楽な仕事、そこそこの時給、そしてもふもふの癒し。やっぱり最高のアルバイトだ。

ただひとつ、気になる点があるにはあるけれど――。

 入り口のドアが開き、次の瞬間、良太の恐れていたことが現実となる。