陽菜が体を傾け、隣に座る由美に抱き着いた。
由美は彼女の背中を抱くと、愛しげにふわふわのボブヘアーを撫でる。
目を見開き、俊哉が由美を見つめた。
「……ありがとう」
礼を言ったあと、彼は誤魔化すように洟を啜り上げた。
「陽菜の頑張る姿、見に行くからな」
「うん……!」
陽菜の明るい声に、由美が顔を上げる。そこでようやく、由美は俊哉をテーブル越しに見つめた。
俊哉の眼差しを見て、今の彼の言葉に嘘偽りがないことを感じとったのだろう。
ためらいがちに薄く微笑んで、由美はもう一度膝の上の陽菜を見下ろした。
「由美さん。よろしかったら、こちらの重箱をお貸ししますよ」
「いいのでしょうか? こんなにも色々としていただいたのに、そのうえ……」
遠慮している由美に、ルイが美麗な笑みを見せる。
「もちろんです。使っていただいた方が、漆は美しさに磨きがかかりますから」
由美は彼女の背中を抱くと、愛しげにふわふわのボブヘアーを撫でる。
目を見開き、俊哉が由美を見つめた。
「……ありがとう」
礼を言ったあと、彼は誤魔化すように洟を啜り上げた。
「陽菜の頑張る姿、見に行くからな」
「うん……!」
陽菜の明るい声に、由美が顔を上げる。そこでようやく、由美は俊哉をテーブル越しに見つめた。
俊哉の眼差しを見て、今の彼の言葉に嘘偽りがないことを感じとったのだろう。
ためらいがちに薄く微笑んで、由美はもう一度膝の上の陽菜を見下ろした。
「由美さん。よろしかったら、こちらの重箱をお貸ししますよ」
「いいのでしょうか? こんなにも色々としていただいたのに、そのうえ……」
遠慮している由美に、ルイが美麗な笑みを見せる。
「もちろんです。使っていただいた方が、漆は美しさに磨きがかかりますから」