ルイの眉毛が反応を示す。顎先に手をあてがうと、ルイは押し黙った。

よかった。スイッチが入って、しろたん問題はいったん置いてくれたようだ。

「あまり、聞いたことのない症例ですね」

「そうなんですか?」

「……どうしてなのでしょう? 明日から陽菜様の様子を見て、対処できるか考えてみます」

「ありがとうございます……!」

 今度は、どんな演出が繰り広げられるのだろう。

良太の胸が、自然と高鳴っていく。良太にとって、ルイが形作る食空間を垣間見ることは、今ではすっかり日々の楽しみになっていた。