「なるほど、重箱ですね。奇遇ですね、私も重箱が一番好きなんですよ。色々なおかずが楽しめますしね」
ルイが微笑めば、陽菜は照れながらもあどけなく笑い返した。
その後は一緒にしろたんを眺めるなどして、良太が一時間ほど陽菜と過ごしていると、由美が店に陽菜を迎えに来た。
下校時、陽菜の背後を見知らぬ男がつけていたことを告げると、由美は顔面蒼白になる。
そして、当面の間は放課後ルイが陽菜を学校に迎えに行き、由美が来るまで『ボヌール・ドゥ・マンジェ』で預かることを了承した。
「学童には、ルイさんが迎えに来ることを連絡しておきます。何から何までありがとうございます、本当に助かります!」
重ね重ね、ルイに礼を言う由美。柔和な笑顔で、ルイはそれに答えていた。
「いえいえ、お気になさらないでください」
あんなにも悲痛な由美の顔を、良太は初めて見た。
働いているがゆえ、娘の帰り時間が遅くなり、危険に晒してしまったことに自己嫌悪を抱いているのだろう。
けれども、由美は何も悪くない。悪いのは全て、幼い子供を狙う非道な輩なのだ。
「斉木さんが、気にすることないですよ。しろたんも、苦手なルイさんといるより、陽菜ちゃんが来てくれた方が絶対に喜びますし」
「でも……」
「そうですよ。とにかく、斉木さんは安心して仕事を続けてください!」
強く言えば、申し訳なさそうにしながらも、由美はようやく頭を下げるのをやめた。
ルイが微笑めば、陽菜は照れながらもあどけなく笑い返した。
その後は一緒にしろたんを眺めるなどして、良太が一時間ほど陽菜と過ごしていると、由美が店に陽菜を迎えに来た。
下校時、陽菜の背後を見知らぬ男がつけていたことを告げると、由美は顔面蒼白になる。
そして、当面の間は放課後ルイが陽菜を学校に迎えに行き、由美が来るまで『ボヌール・ドゥ・マンジェ』で預かることを了承した。
「学童には、ルイさんが迎えに来ることを連絡しておきます。何から何までありがとうございます、本当に助かります!」
重ね重ね、ルイに礼を言う由美。柔和な笑顔で、ルイはそれに答えていた。
「いえいえ、お気になさらないでください」
あんなにも悲痛な由美の顔を、良太は初めて見た。
働いているがゆえ、娘の帰り時間が遅くなり、危険に晒してしまったことに自己嫌悪を抱いているのだろう。
けれども、由美は何も悪くない。悪いのは全て、幼い子供を狙う非道な輩なのだ。
「斉木さんが、気にすることないですよ。しろたんも、苦手なルイさんといるより、陽菜ちゃんが来てくれた方が絶対に喜びますし」
「でも……」
「そうですよ。とにかく、斉木さんは安心して仕事を続けてください!」
強く言えば、申し訳なさそうにしながらも、由美はようやく頭を下げるのをやめた。