影近は、その姿に驚いていた。
もしかして何があったのだろうか?
ただ事ではない気がする。

「大変なんです。伊賀が……甲賀の忍び達に
襲撃されました!!」

「何だと!?アイツらとうとう殺りやがったか……」

甲賀……?
伊賀の他にも忍びが居るのだろうか?
男の子達に言われ驚く影近達だった。
しかし私には、何のことなのかさっぱり分からない。

「甲賀の者が伊賀が我々を裏切ったと
意味の分からない濡れ衣を着せてきたのです」

「とにかく、伊賀に戻る」

「馬は、こちらに。それより……あちらですか?
影近様を捕まえたとされる異国の王族は?」

すると双子の男の子達は、ギロッと
私達を睨みつけてきた。ビクッと肩が震えた。
この子達……子供だけどかなりの実力者達だわ!?
私は、思わず構えた。
すると陛下は、私の肩をポンッと叩いた。

「手紙に書いたように俺達は、影近達を
送り届けに来たんだ。それと
半蔵様とやらに曾孫を見せにね」

「半蔵様の……じゃあ、あなた様が
あの伝説のくノ一・紅葉様のご息女様ですか!?」

驚いたように言われる。
伝説のくノ一……お母様はそんなに
凄い忍びだったのかしら?
母のことは、覚えていないので言われても
何だかピンと来ない。

「そんなお方が来て頂けたら百人力だ。
我々が案内します」

男の子達は、そう言うと隠してあった馬まで
案内をしてくれた。
そして私達は、馬に乗り伊賀の里に向かった。

街中からかなり離れたところに伊賀の里があった。
しかし確かに襲撃をされたのだろう。
酷く荒らされ焦げ付いた臭いがする。
家が焼かれた跡があった。陛下も驚いていた。

「これは、酷いなぁ……」