「あれって異国の連中じゃないか」
「やだ……怖い」
「でもカッコいい……」
「何を言っているんだい。異国の連中なんて
ろくな人間じゃないよ」
コソコソと陰口を言われて白い目で見られていた。
まるで恐れているようだ。争っている訳でもないのに
何でそんなに嫌なモノを見るような目で
見るのだろうか?
私は、不思議がっていると
「おい。俺らの里は、こっちだ。
街中に居ねぇーからさっさと行くぞ!」
影近が早く行くぞと言ってきた。
私達は、早々と街中を出て行く。
するとリュウ様が私に話しかけてきた。
「アイリス。気にする必要はないよ。
自分の国しか知らない人は、それ以外の
異国の人間は、異様に見えるものさ。
特に独特な偏見や良く思っていない人はね」
そう言って教えてくれた。異様か……。
確かに国が違うけど同じ人間なのに。
あからさまな態度に余計に不安になってきた。
それからしばらく歩いて行くと山道になって行く。
「ここからずっと先に伊賀の里がある。
本来なら俺達……忍びは、木を飛び越えて里まで
行くのだが迎えを来るように頼んでおいたはずなのだが?」
影近がそう言ってきた。迎えが……。
すると忍びの気配がした。
私は、慌てて太ももから短剣を取り出すと
警戒しながら構えた。
「ルチア様。リュウお義兄様。敵です!
お下がりください!!」
「待て。これは、伊賀の忍びだ!」
えっ……?
影近が言うと2人の忍びが姿を現した。
10歳ぐらいの双子の男の子だった。
身なりがボロボロになっていて怪我をしていた。
「影近様……良かった。
お戻りになったんですね!!」
「右京、左京。どうしたんだ!?
そんなボロボロになって……しかも怪我まで」