「あ、俺も行く。影近。
ついでに釣りでもしょーぜ」

「いいが。釣りなら俺は、かなり強いぜ?」

「お~勝負だ!」

陛下は、上機嫌で一緒に行くと言ってきた。
警戒心とか無いんですか!?
この人達には……。
私は、さらに呆れてため息を吐いてしまう。

仕方がなく陛下と影近は、釣りをしている間。
私も船の様子を見るために外に出た。
雲で景色が見にくかったが何となく島らしいのが
見えていた。

「見えてきたな。あれが東洋の国
日本と言う名の島だ!」

影近がそう言ってきた。あれが……!?
初めて訪れる異国の国。そして私を産んでくれた母親の
故郷だった。

一応伊賀には、影近が鳥に手紙をくくりつけて
飛ばしていたけど、上手く届いただろうか?
そう考えている間にも東洋の国・日本に近付いてきた。
そして、しばらくして無事に船を岸につけることが出来た。

「うわぁっ~これが日本!?」

街の方に行くと凄い人だかり。
行く間に教わったけど、それでも
知らないものばかりで驚いた。

人は、着物を着ており変わった頭の男性も居る。
確かお侍さんと言ったかしら?
我々で言う騎士みたいなものね。

「俺が来た時も凄く賑わっていたよ」

「へぇ~そうなんですね?」

リュウ様に教えてもらい私は、感心する。
珍しいモノに心を奪われていると
周りの人は、こちらをジロジロと見てきた。