リュウ様が来てくれるなら心強いと思った。
それに心配してくれたことが嬉しかった。
リュウ様の説得のお陰もあり何とか無事に
渡航することに。ジョンは、お城や国のこともあるため
お留守番をすることになった。
影近達は、逃げないように手錠がされたままだが
そこにミアの遺体が入った棺も船に乗せた。
ミアをどうするかと影近に聞いたら
故郷である東洋に帰りたいだろうから一緒に
帰らせてくれと頼まれたからだ。
私もそう思う。帰りたいだろう……故郷に。
そして影近の近くで眠りたいだろうから。
船で行くと東洋……日本の国は、数日かかるらしい。
私は、船も異国に行くのも初めてで
どうしたらいいか分からずに不安だった。
そんな私を陛下は、優しく抱き締めてくれた。
そして長い旅が始まって数日後。
ある変化が起きていた。
「あれ?ルチア様とリュウお義兄様は、
何処に行かれたのかしら?」
私は、ある部屋に行った。そこは、外から
鍵をかけられる部屋で影近達がそこに居る。
もしかしらと思い部屋に入るとやっぱり……。
「はい。俺の勝ち。勝ったからアイリスと
添い寝が出来るのは、俺で決まりだね」
「おい。何でまた、リュウが勝ちなんだ!?」
「卑怯だぞ。絶対に何かいかさましているだろ?」
陛下は、リュウ様と影近と一緒に仲良く
トランプのババ抜きをしていた。
そう……ババ抜きを……。
「嫌だなぁ~ちゃんとフェアにやっているよ。
何ならもう1回やる?」
『当たり前だ。勝ち抜きは、許さねぇ』
陛下と影近は、口を揃えてそう言ってきた。
周りの忍び達も笑いながら楽しそうに応援をしていた。
ちょっと、私を勝手に賭け事の材料にしないでよ!?
それより何でババ抜きをしているのよ!?