私も陛下が好き。
身分差があるし、好きになったらいけない人だけど
その気持ちは、よく似ている。
ミアは、本心を隠しているように見えた。

「……アイリス」

「ミア。だからと言って。
自分の気持ちに嘘をついたらダメだよ。
あなたは、本当は……どうしたいの?」

「私は……」

しかし、その時だった。
隙を見て影近が陛下に向かって短剣を振りかざして
飛んできた。えっ!?

「覚悟しろ!!」

危ない。陛下が……!?
私は、慌ててミアを振り払うと陛下のもとに急いだ。
身体を使い守ろうとする。

「アイリス!?」

くっ……殺られる。
私は、切られるのを覚悟した。しかし
痛みを感じなかった。えっ……?
目を開けて振り向いてみると
私の代わりにミアが庇って切られていた。

「紫帆!?お前……何故?」

「ミア!?」

ミアは、影近に切られてそのまま
倒れ込んでしまった。
そんな……ミアが切られるなんて。

「ミア。大丈夫!?ねぇ……ミア。
「何で私を庇ってくれたの……?」

「ゲホッゲホッ……私は、忍びとして
幼い頃から教育を受けてきたの。
それしか知らないし……それに……」

私は、泣きながらミアを抱き寄せて言うと
ミアは、血を吐いて苦しそうにそう言ってきた。
そしてチラッと影近を見るミア。