私は、地面を蹴り上げると木から木から
蹴りながら上に登って行く。そして登り終わると
忍び達に両手の短剣を使い攻撃をした。

「くっ……このアマ!!」

手裏剣を投げようとしたが私の方が素早かった。
木の枝を蹴り上げると宙返りをして
他の木へ移り攻撃をする。忍び達は、あっという間に
次から次へと落とされて行った。

「やはり天才くノーと言われていた
紅葉叔母様の血を引いているだけあるな」

影近も短剣を取り出すと攻撃体勢に入る。
私は、構えた。さすがリーダーで次期跡継ぎだけあって
他の忍びに比べて隙がない。
だが、それでもやってやる!!

私は、短剣を使い攻撃する。
影近は、負けじと短剣を使い戦った。その力は、互角。
どちらか隙をついたら終わりだった。
すると私に向かって手裏剣が投げ込まれる。

咄嗟に短剣で手裏剣を弾き返した。
そうしたら影近が短剣で切りつけてようとしてきた。
私は、慌てて避けようとするが木から落ちてしまう。
だが身軽のため上手く着地をした。
危なかった……。

ホッとしたのもつかの間
後ろから誰かに短剣を首筋に向けられた。
くっ……いつの間に!?

「これも影近様のため。
悪く思わないでね。アイリス」

その声は、ミア!?
ミアが私に刃物を向けていた。
どうして……ミア。

「ミア。私は、やっばりあなたを敵だと思いたくない」

友人だと思っていたミアと戦わないといけないのは、
辛い選択だった。
出来ることなら戦いたくなかった。

「アイリス。あなたは、強い。でも甘いのよ!?
敵に情けをかけてどうするの。
私は、あなたの敵なのよ!」

そう言ってくるミア。
でも声は、どこか悲しそうだった。 

「ミア。やめろ!?」