「フッ……完璧?冗談でしょう?
ルチア様は、騎士の服もドレスもどうでもいいだなんて
けして言わないわ。ドレスには、思い出がいっぱいに
詰まっているし。それにルチア様は、節約家よ!
そんなドレスや服をもったいないとか言って
片付けるような人じゃないわ」
陛下は、民の者が働いて納めているお金だから
大切に使わないといけないと言い。
勿体ないからとチラシの裏にメモとして
使ったりお得クーポン券を集めたりしている。
だから思い出が詰まったドレスをどうでもいいと
発言は、しないし逆に私が言うものなら
「お前のために作ったドレスを
どうでもいいと言うな!!」と怒るだろう。
陛下は、そう言う人だ。
すると改めて陛下は、どんな想いで私にドレスを作り
プレゼントをしてくれたか気づかされた。
胸がズキッと痛んだ。陛下……私のために。
「それだけで俺が国王陛下じゃないと見破った訳か?」
「いえ、確証じゃないわ。だからあえて
質問をしたのよ!
私と子猫……助けるならどっちかって
そうしたら、あなたは、私と言ったのよ」
「いいじゃないか……あの男の性格とお前らの
関係ならそう答えるだろう」
「違うわね。本物のルチア様ならこう言うの。
“子猫と私どちらも助ける”と」
「はぁっ?どちらを助けるかの2選択じゃないのか!?」
「そう……普通なら2選択だと思って
どちらかを選ぶでしょう。しかしルチア様は違うわ」
陛下は、とにかく自由奔放で
質問の数を完全に無視するお方だからだ。
それこそ、どちらを助けるかと言いましたよね?と言うと
『俺ならまずアイリスが溺れないように
浮き輪になりそうなモノを投げてから子猫を先に
助けに行ってそれからお前を助けてやる』
『2選択!?お前は、いつから自分と他人を比べて
見捨てる女になったんだ!?俺は、そんな奴は認めない。
可愛い子猫が溺れているんだぞ?答えは、3番だ!』
そう言って無茶苦茶な理由をつけて
質問そのものを無視してしまうだろう。
陛下は、そう言う人だ。