僕は何の躊躇も無くそれを取り上げ、彼女の両手を頭の上でひとつに(くく)り、自由を奪った。

「ゆい・・・?」

「今日はね、ひなせが駄目って言ってもやめない。でも声は我慢して。・・・他のだれにも聞かせたくないから」

「でも、・・・声でちゃう・・・っ」
 
「言うこと聞けないなら、お仕置きだよ・・・? このあいだみたいに焦らされたい? それとも・・・」 


 両手を縛られて、僕にしばられて。
 ひなせは自分で自分を壊すことすら。




 やっと。明日から君をつないでおける。
 永い鎖で自由もあげよう。
 けれど、決して飛び立たせはしない。
 僕の腕の中からは。



 永劫に。
 
 

【完】