・・・でもきっと。溺れてるのは僕だ。
 中で存分に果てても、ずっと繋がっていられるひなせの躰。
 死なせないように加減しながら吸い上げる精の相手なんて、もう僕には何の価値も無い。たとえ。命を奪ってしまったとしても。何の感情も湧かないほど。



 僕たちの狂宴じみた愛欲を咎めるでなく、けれどあの日を境に、父が離れから姿を見せることはない。
 父だけを幽寂とした花枯れの庭に置き去りにしたような、そんな後ろめたさ。
 今でも胸の奥が(いた)んで、消えない・・・。