手加減できるように、支葵のでいっぱいにしておく。
 でないと。
 きっとあたしは殺してしまう。
 倭人の精気を全部吸い取って、死なせてしまう。

 情が深くなればなるだけ抑えの利かない衝動。
 いくつも歯止めをかけて、そう、愛も好きも境界線を引かない半端でいいの。倭人を殺す“愛”しか持たないあたしは。


 支癸が低く言う。

「・・・死んでも幸せだって言わせるぐらい惚れさせりゃ、後悔しねぇのに」


 躰の真ん中に隙間なく埋まってるものに支配される自分。
 あたしは本当はなにが欲しいんだろう。


 答えに辿りつく前に支癸の濃い精気を吸い上げて。あたしの意識は飛んでいた。