「麻が良かったら、今度一緒に勉強しようよ。私もほとんど家で勉強してるから」
「うん、もちろんだよ」
登録できたよ、と満面の笑みで画面を見せてくれた詩子に、私もなんだか笑顔になった。
「あれ? いつの間にか仲良しさんになってる」
開きっぱなしだった障子から顔を覗かせたのは三門さんだった。詩子は自慢げにメッセージアプリの友達欄を三門さんに見せつける。
そっかそっか、と目じりをさげた三門さんは、私の頭を撫でながら向かいのソファーに腰を下ろす。
「そう言えばうたちゃん、最近おっちょこちょいなんだって?」
「うわ、それお母さんから聞いたの?」
「はいはい、怒らない」
顔を顰めてた詩子に、どうどうと馬を宥めるように手を上下に動かした三門さん。思わずクスクスと笑ってしまった。