カイのフォローが水の泡となるようなハクの発言に、結は身を縮め、「すみません」と小声で謝罪する。
「とにかくだ。現在、恋神神社の宮司は俺だ。俺をもっと尊べ! そういう気持ちが無いからこういう料理になるんだ」
縁の言い分は道理だ。しかし……と、その場の全員がふんぞり返る縁に、どこを尊べばいいのやら、と思う。それに……と、過去の発言を思い出す。縁は『愛することも尊ぶことも必要ないドライな関係が一番』ではなかったのかと。
「――では、明日はその方のご祈祷ですね。縁様、よろしくお願いします」
だが、流石はカイだ。縁の言葉をスルーすると、話を戻して会話を続ける。
「で、お時間は?」
「十時頃に来るって」
ハクが答えると、カイは「了解致しました」と言って黒いスケジュール帳に記入をして、ご丁寧にスマートフォンのスケジュールにも打ち込み始めた。
そして、アラームをセットし終えると、「縁様、ご確認を」と声を掛ける。
カイ曰く。二人のスマートフォンのスケジュールは同期してあるそうだ。
『縁様が逃れられないように苦肉の策でございます』とのことだった。だから縁は『知らなかった』『聞いていない』と言い訳ができない。この説明を聞いたとき、つくづく素晴らしい神使だと結は思った。
「でもさぁ、あんなイケメンが片想いって、お相手、どれだけパーフェクト美人なんだろうね?」
興味津々というようにハクが言葉を零すと、縁が「どうだか」と鼻を鳴らした。
「案外、とんでもない奴かもよ。美女と野獣の反対版で〝美男とおかめ〟とか?」
「あっ! まさか、小町ちゃんに一目惚れとか?」
「とにかくだ。現在、恋神神社の宮司は俺だ。俺をもっと尊べ! そういう気持ちが無いからこういう料理になるんだ」
縁の言い分は道理だ。しかし……と、その場の全員がふんぞり返る縁に、どこを尊べばいいのやら、と思う。それに……と、過去の発言を思い出す。縁は『愛することも尊ぶことも必要ないドライな関係が一番』ではなかったのかと。
「――では、明日はその方のご祈祷ですね。縁様、よろしくお願いします」
だが、流石はカイだ。縁の言葉をスルーすると、話を戻して会話を続ける。
「で、お時間は?」
「十時頃に来るって」
ハクが答えると、カイは「了解致しました」と言って黒いスケジュール帳に記入をして、ご丁寧にスマートフォンのスケジュールにも打ち込み始めた。
そして、アラームをセットし終えると、「縁様、ご確認を」と声を掛ける。
カイ曰く。二人のスマートフォンのスケジュールは同期してあるそうだ。
『縁様が逃れられないように苦肉の策でございます』とのことだった。だから縁は『知らなかった』『聞いていない』と言い訳ができない。この説明を聞いたとき、つくづく素晴らしい神使だと結は思った。
「でもさぁ、あんなイケメンが片想いって、お相手、どれだけパーフェクト美人なんだろうね?」
興味津々というようにハクが言葉を零すと、縁が「どうだか」と鼻を鳴らした。
「案外、とんでもない奴かもよ。美女と野獣の反対版で〝美男とおかめ〟とか?」
「あっ! まさか、小町ちゃんに一目惚れとか?」