「結様、前よりもずいぶん形も綺麗になってきたし、縁様の卵焼きより美味しいし、別にいいんじゃない? そのままで」
カイの隣に座っていたハクが、もふもふの尻尾を激しく揺らしながら苛立ち声で言う。
目の端にそれが映り込み、鬱陶しいカイは「変化なさい」と意見する。
「ダメ、できない。僕は今、無性にお腹が減っているの。だから変化する力がないの」
カウンターテーブルに突っ伏すハクを、カイは呆れ眼で見つめながら、それもそうかと柱の鳩時計を見る。
「結様、朝食のセッティングはわたくしが致しましょうか?」
「えっ?」と時計に目をやった結は、あっ、と現状を知る。
「ごめんなさい。今すぐ用意します」
慌てておむすびの載った皿を手にすると、パタパタとスリッパの音を響かせてテーブルに運ぶ。
「ねぇ、ところで縁様は?」
それを見たハクは、ピョンと椅子から飛び降りると、そそくさと美少年に変化した。
「縁様でしたら、すぐ戻ると言って拝殿に行かれました」
「何しに?」と問うハクに、「さぁ?」と興味なさげに返事をするカイ。
「気にならないの?」
「あの方をいちいち気にしていたらこちらの身が持ちません。あっ、結様、わたくしもお手伝い致します」
大鉢を持った結にカイは慌てて駆け寄る。
「結様、これは何ですか?」
その中を覗き込み、カイが首を傾げ問うた。
「あっ! お宝茶巾だ」
テーブルに置かれたそれを目にした途端、ハクが歓喜の声を上げる。
カイの隣に座っていたハクが、もふもふの尻尾を激しく揺らしながら苛立ち声で言う。
目の端にそれが映り込み、鬱陶しいカイは「変化なさい」と意見する。
「ダメ、できない。僕は今、無性にお腹が減っているの。だから変化する力がないの」
カウンターテーブルに突っ伏すハクを、カイは呆れ眼で見つめながら、それもそうかと柱の鳩時計を見る。
「結様、朝食のセッティングはわたくしが致しましょうか?」
「えっ?」と時計に目をやった結は、あっ、と現状を知る。
「ごめんなさい。今すぐ用意します」
慌てておむすびの載った皿を手にすると、パタパタとスリッパの音を響かせてテーブルに運ぶ。
「ねぇ、ところで縁様は?」
それを見たハクは、ピョンと椅子から飛び降りると、そそくさと美少年に変化した。
「縁様でしたら、すぐ戻ると言って拝殿に行かれました」
「何しに?」と問うハクに、「さぁ?」と興味なさげに返事をするカイ。
「気にならないの?」
「あの方をいちいち気にしていたらこちらの身が持ちません。あっ、結様、わたくしもお手伝い致します」
大鉢を持った結にカイは慌てて駆け寄る。
「結様、これは何ですか?」
その中を覗き込み、カイが首を傾げ問うた。
「あっ! お宝茶巾だ」
テーブルに置かれたそれを目にした途端、ハクが歓喜の声を上げる。