「卵焼きと唐揚げの作り方は教えただろう? 俺の言った通り作ればできる」
「そう簡単に言われましても……」
「あっ、でも、結様、昨日の卵焼きはこの前のよりも綺麗にできていましたよ」
ハクのフォローに、「それでもまだまだだがな」と縁が茶々を入れる。
「おむすびの具は……」
「お揚げさん入りのは絶対ね!」
「お前、本当にそれ、好きだなぁ」
呆れるように言う縁に、「だって、僕の幸せの元だもん」とハクは悪びれず答える。
「お前、この前も〝幸せ〟という言葉を使ったな? お前はそんな小さな幸せで満足なのか?」
「縁様……僕、縁様の言っている意味が分かんない。幸せに大きいとか小さいとかあるの?」
プッと吹き出すカイ。それが気に食わなかったのだろう、「ある!」と怒ったように答える縁。
「望みが大きければ大きいほど、幸せも大きくなる」
「そうかなぁ……」と小首を傾げ、ハクが結を見る。
「結様はどう思う?」
「幸せの大小? 考えたこともなかったなぁ……成就の報告に来る人は、皆、幸せオーラを撒き散らして帰っていくから。神社が良質のパワーに包まれているのも、だからだし……でも、今は……」
おばば様のことを思い出した結の目に涙が浮かぶ。
「恋の成就なんてチンケな願いばかりだからだ。恋神なんか辞めて、商売の神とか勝負の神なんかに転向したらどうだ? 数を熟さなくても、どどーんとパワーが増えること間違いなし」
「そう簡単に言われましても……」
「あっ、でも、結様、昨日の卵焼きはこの前のよりも綺麗にできていましたよ」
ハクのフォローに、「それでもまだまだだがな」と縁が茶々を入れる。
「おむすびの具は……」
「お揚げさん入りのは絶対ね!」
「お前、本当にそれ、好きだなぁ」
呆れるように言う縁に、「だって、僕の幸せの元だもん」とハクは悪びれず答える。
「お前、この前も〝幸せ〟という言葉を使ったな? お前はそんな小さな幸せで満足なのか?」
「縁様……僕、縁様の言っている意味が分かんない。幸せに大きいとか小さいとかあるの?」
プッと吹き出すカイ。それが気に食わなかったのだろう、「ある!」と怒ったように答える縁。
「望みが大きければ大きいほど、幸せも大きくなる」
「そうかなぁ……」と小首を傾げ、ハクが結を見る。
「結様はどう思う?」
「幸せの大小? 考えたこともなかったなぁ……成就の報告に来る人は、皆、幸せオーラを撒き散らして帰っていくから。神社が良質のパワーに包まれているのも、だからだし……でも、今は……」
おばば様のことを思い出した結の目に涙が浮かぶ。
「恋の成就なんてチンケな願いばかりだからだ。恋神なんか辞めて、商売の神とか勝負の神なんかに転向したらどうだ? 数を熟さなくても、どどーんとパワーが増えること間違いなし」