「カイも縁様を愛してるんだね?」
「はぁ? 気色の悪いことを言うな! 今の流れでどうしてそうなるんだ?」
異論の声を上げながら、縁が心底嫌そうな顔をする。
「えっ? どうして怒るの? 神使が主様を愛し尊ぶことは大切なことじゃない?」
「確かにそうでございます。しかしながら我が主は、愛することも尊ぶことも必要ないと申されるのです」
喜怒哀楽の〝怒〟と〝哀〟が交ざったような表情でカイが溜息を吐く。
「えー、どうして?」
「チンクシャ、よく聞け! ドライな関係が一番だからだ。感情は拗れると厄介なんだ」
縁の瞳が一瞬蔭る。
「何かあったんですか?」
その一瞬を結は見逃さなかった。
縁が冷ややかな声で「何もない!」と答える。しかし、その態度で結はそれが嘘だと見抜く。
「それに、カイは外面はいいが真性のドSだ。俺を怒らすのが趣味みたいな奴だ。だから、どんな風に言えば俺を怒らすことができるか熟知している。さっきの発言はそれだ」
あくまでも誤魔化すつもりらしい。カイもそれを否定する気はないようだ。「お褒め頂き恐縮です」と、男優さながらに胸に手を当て貴族のようなお辞儀をする。
「褒めてない。そういうところが鼻につくんだ」
チッと舌打ちをすると縁はハクが手に持つおむすびに目をやり、ふて腐れたように訊く。
「ところで、それは何だ?」
「これ?」
手に持つおむすびに目をやると、ハクは満面の笑みになる。
「これは甘い揚げをまぶした酢飯おむすびだよ。僕の大好物。これを食べると幸せになれるんだ」
リクエストどおりの味に満足しながら言葉を続ける。
「はぁ? 気色の悪いことを言うな! 今の流れでどうしてそうなるんだ?」
異論の声を上げながら、縁が心底嫌そうな顔をする。
「えっ? どうして怒るの? 神使が主様を愛し尊ぶことは大切なことじゃない?」
「確かにそうでございます。しかしながら我が主は、愛することも尊ぶことも必要ないと申されるのです」
喜怒哀楽の〝怒〟と〝哀〟が交ざったような表情でカイが溜息を吐く。
「えー、どうして?」
「チンクシャ、よく聞け! ドライな関係が一番だからだ。感情は拗れると厄介なんだ」
縁の瞳が一瞬蔭る。
「何かあったんですか?」
その一瞬を結は見逃さなかった。
縁が冷ややかな声で「何もない!」と答える。しかし、その態度で結はそれが嘘だと見抜く。
「それに、カイは外面はいいが真性のドSだ。俺を怒らすのが趣味みたいな奴だ。だから、どんな風に言えば俺を怒らすことができるか熟知している。さっきの発言はそれだ」
あくまでも誤魔化すつもりらしい。カイもそれを否定する気はないようだ。「お褒め頂き恐縮です」と、男優さながらに胸に手を当て貴族のようなお辞儀をする。
「褒めてない。そういうところが鼻につくんだ」
チッと舌打ちをすると縁はハクが手に持つおむすびに目をやり、ふて腐れたように訊く。
「ところで、それは何だ?」
「これ?」
手に持つおむすびに目をやると、ハクは満面の笑みになる。
「これは甘い揚げをまぶした酢飯おむすびだよ。僕の大好物。これを食べると幸せになれるんだ」
リクエストどおりの味に満足しながら言葉を続ける。