間接部門にいる45歳の中高年、健人課長は、土黒部長から、会議室に、呼び出された。

「実はな、健人君、退職金を上乗せするので、退職してくれないか。会社の事情も察してくれ。」
「えっそんな。まだ子供も学生ですし、今は、やめられません。」
「そうか、なら部署を移ってもらおう。君の配属は総務課だ。」
「ありがとうございます。部長。」

翌日、出社した健人は、驚いた。自分の机と椅子がない。土黒部長が来て、「君の配置は、あちらだ」と言った。

なんと、そこは、資料室だった。机も椅子もない。
「一体、私は、ここで何をすればいいのですか?」
「何もしなくていい。ここに、いればいい。」
土黒部長は、部屋を出て行った。
「これじゃ、まるで、追い出し部屋じゃないか?」
周りに目を移すと、ほかに3人いる。
「あなた達も、退職勧奨を断ったのですか?」
「ええ、でも、ここにいれば、給料は、入りますから。」
「虚しくないですか?」
「正社員は、簡単にクビにできません。そして、家庭を守るためなら、なんだって、我慢できます。」

健人は、「それも、そうだ。」と思った。
会社のために、尽くしてきたのに、結果がこれか?」

さあ、明日の朝は、来るのか。いや、朝が来るまで。→真似てます。