たくさんの人たちの中から、どの人がねねちゃんの両親なのか、似たような格好をした子供たちの中から、ねねちゃん本人を探すことも私には出来なくて……。

数日間でも、ねねちゃんと一緒に過ごして、顔のパーツや髪型や……ねねちゃんと分かる情報を自分の中にインプット出来ていたと思っていた。

それがすべて、この人の多さの中では、まったく役に立たないということにショックだった。


先生とエー子が慌てて、ねねちゃんの両親を探し、話しを聞くと二人もねねちゃんを探しているところだった。

その様子が他の父兄さんへ伝わり……先生へ伝わり……いつの間にか七夕祭りの賑わいが、ねねちゃんを探す声に変わっていた。



「ごめんなさい! 私がねねちゃんから目を離してしまったから……」

「そんなこと言っている時間はないのよ! 早く探さないと!」

副園長からの厳しい言葉だった。