わたしは、承知すると井上さんに言った。
「お昼は良いのだけど、今日はお弁当を持って来てないの……
ここのカフェテリアもクレジットカード使えるわよね?」
「へ? カフェテリア? クレジットカード?」
あれ? わたし、何か変なコト言ったかな?
いきなりきょとんとした顔の井上さんにわたしは、首をかしげた。
「君去津では、お昼を食べる場所をカフェテリアって言わないの?
レストラン? 学食? 飲食スペースって言うのかな?」
今まで通っていた星条学園では、勉強をする校舎の別棟に、街のレストラン顔負けな、おしゃれなカフェテリアがあって小等部……小学生から出入りが許される。
そこでは美味しい食事の販売はもちろん、お弁当を食べるのも自由だったから大抵のヒトが、ソコでご飯を食べていたんだけども……
「君去津高にカフェテリア? ……無いって、そんなモノ。
それにもちろん、クレジットカードなんて使えるワケ無いでしょ。
普通の学校、なんだから」
「……え?」
井上さんの言葉に、今度はわたしが耳を疑った。
「じゃあ、お昼ってドコで食べるの?
お弁当持って来てないヒトって、お昼、どうするの!?」
ビックリして聞いたわたしの手を、井上さんは引っ張って……なんだかとても騒がしい所に連れて来てくれた。
うぁぁ……今度も、人ごみですかっ!?
ヒトの塊は、一年生から三年生までの君去津高の生徒たち!
それが、廊下の奥にできた臨時スペースみたいなテーブルに群がっているんですけど……!?
な、なんだか、電車の朝ラッシュよりも殺気立ってる気がする……!
とても、ゆっくり食事出来る場所なんかじゃなく!
わたしは、恐る恐る井上さんに聞いた。
「ここ、ドコ!?」
「購買部!! お昼持ってきてないヒトは、ココでパンを買うの!
で、食べる場所は教室でも、庭でも好きな場所で良いのよ?」
あたしもお昼持ってきてないし、じゃあまずは買いに行こっか、と。井上さんは、にこっと笑うと、人ごみの中へ消えて行った。
一方、わたしの方は……と言うと。
皆さまご存じ、案の定。
ぽぉーーーーいっ! と人ごみから簡単にはじき飛ばされて、一歩も進めず。
……しくしくしくしくしく。
廊下の床に座り込み、思わずのの字を書いている所を井上さんに発見されることになった。
「パン……買えなかったの?」
「……うん」
井上さんは、無事に買えたらしい。
井上さんの持っている白い手下げ袋には、今までに見たことのないパンが詰め込まれてた。
何も見てない時には、そんなにお腹減って無かったけれど、パン見たら、お腹が鳴っちゃった。
ぐぅぅぅ~~
パン、いいなぁ~~って上目遣いに見れば、井上さんと目があった。
「もしかして、西園寺さんって人が多いの苦手?」
「うん」
……ていうか……初心者です~~
という意味を込めて、うるうる目のまま頷けば、井上さんは『判ったわ!』とうなづいた。
「お昼は良いのだけど、今日はお弁当を持って来てないの……
ここのカフェテリアもクレジットカード使えるわよね?」
「へ? カフェテリア? クレジットカード?」
あれ? わたし、何か変なコト言ったかな?
いきなりきょとんとした顔の井上さんにわたしは、首をかしげた。
「君去津では、お昼を食べる場所をカフェテリアって言わないの?
レストラン? 学食? 飲食スペースって言うのかな?」
今まで通っていた星条学園では、勉強をする校舎の別棟に、街のレストラン顔負けな、おしゃれなカフェテリアがあって小等部……小学生から出入りが許される。
そこでは美味しい食事の販売はもちろん、お弁当を食べるのも自由だったから大抵のヒトが、ソコでご飯を食べていたんだけども……
「君去津高にカフェテリア? ……無いって、そんなモノ。
それにもちろん、クレジットカードなんて使えるワケ無いでしょ。
普通の学校、なんだから」
「……え?」
井上さんの言葉に、今度はわたしが耳を疑った。
「じゃあ、お昼ってドコで食べるの?
お弁当持って来てないヒトって、お昼、どうするの!?」
ビックリして聞いたわたしの手を、井上さんは引っ張って……なんだかとても騒がしい所に連れて来てくれた。
うぁぁ……今度も、人ごみですかっ!?
ヒトの塊は、一年生から三年生までの君去津高の生徒たち!
それが、廊下の奥にできた臨時スペースみたいなテーブルに群がっているんですけど……!?
な、なんだか、電車の朝ラッシュよりも殺気立ってる気がする……!
とても、ゆっくり食事出来る場所なんかじゃなく!
わたしは、恐る恐る井上さんに聞いた。
「ここ、ドコ!?」
「購買部!! お昼持ってきてないヒトは、ココでパンを買うの!
で、食べる場所は教室でも、庭でも好きな場所で良いのよ?」
あたしもお昼持ってきてないし、じゃあまずは買いに行こっか、と。井上さんは、にこっと笑うと、人ごみの中へ消えて行った。
一方、わたしの方は……と言うと。
皆さまご存じ、案の定。
ぽぉーーーーいっ! と人ごみから簡単にはじき飛ばされて、一歩も進めず。
……しくしくしくしくしく。
廊下の床に座り込み、思わずのの字を書いている所を井上さんに発見されることになった。
「パン……買えなかったの?」
「……うん」
井上さんは、無事に買えたらしい。
井上さんの持っている白い手下げ袋には、今までに見たことのないパンが詰め込まれてた。
何も見てない時には、そんなにお腹減って無かったけれど、パン見たら、お腹が鳴っちゃった。
ぐぅぅぅ~~
パン、いいなぁ~~って上目遣いに見れば、井上さんと目があった。
「もしかして、西園寺さんって人が多いの苦手?」
「うん」
……ていうか……初心者です~~
という意味を込めて、うるうる目のまま頷けば、井上さんは『判ったわ!』とうなづいた。