「はい、これで入学式前のホームルームを終了します。
 何か、質問は?」

 ……と、言ってくれた担任の先生に。

『オトモダチってどー作ればいいんですか?』

 って本気で聞きたくなって、ため息出た。


 ……参ったなぁ。


「学校が始まるまで、まだ時間があるから、そこらを散歩して来る」って言って道の途中で別れた、金髪の彼の背中を見送って。

 それからは何事もなく、無事に君去津高校についた。

 ん、で。

 新入生の受け付けを一番最初に終えて、指定された教室に入ったのは良かったんだけど……むう。

 電車の初乗車などなど、朝も早くからいろんなことがあり過ぎたんだよね。

 学校が始まる前に、すでにもう、すっかり疲れきり、つい、うとうととしちゃったのが、マズかったみたい。

 はっ、と、気がつくと、今度めでたく、わたしのクラスになった1年2組はヒトがあふれてた。

 女の子同士が、いくつかグループを作り、所々に集まって、楽しそうにおしゃべりしてる。

 よし、早速どっかに混ざろう、とは思ったんだけど。

 どうやら、同じ中学のコ同士で、固っているみたいだ。

 既にあちこち仲良しグループは出来上がり、どこに入ったら良いのやら、全く判らなくなっていた。

  良く、最初は出席番号順で席が決まってるから、ソコで話しかけてオトモダチになれば良いって聞くけども。

 うとうとしている最中に、急に『おはよう』って声をかけられ。

 反射的に『ごきげんよう』って答えちゃったのもダメだったかもしれない。

 わたしに声をかけてくれた、コ。

 ぴきっ、と顔を引きつらせたかと思うと。

「ごっ、ごきげんよーーって、言われちゃったーーーぃ!」と全速力で、元いたグループに戻って行ってしまった。

 わたしの方だって「まって~~」って追いかけようとしたんだけど。

 その子が戻った先で。

「お嬢さま?」

「いや、お嬢さまにしては地味過ぎっしょ?」

「そもそも、本当のお嬢さまなら、こんな公立に通うわけないって、ふふふ~~」

 みたいな、何だかイヤなくすくす笑いが聞こえて、あえなく撃沈。

 仕方ないので、窓側の自分の席で頬杖ついて外見てた。

 それから、心の中でぶちぶちとつぶやいてみる。