バイト先のタイムカード。
出勤したら、必ず時間をそこに記すために機械に差し込まないといけない。
そして遅刻はもってのほか。
一分遅刻するだけで、三十分の時給が減らされてしまう。
それなら繰り下がって一分余分に退出すればいいと思ってしまうが、すでに働く時間が決められているため許可なくの残業は支払われないことになっている。
ケチ!
遅刻する自分が悪いのではあるが、アルバイトなんだから一分単位で働いた分だけの給料が欲しい。
せめて十分単位でもいい。
三十分単位はとても損した気分でいっぱいになってしまう。
だから私は絶対に遅刻するものかと思っていた。
生真面目でもあるので、出勤時間の十分前にはタイムカードを押していたいと思う。
そのためいつも余裕を持ってバイト先に出勤していた。
今日もいつも通りに出勤時間の十分前にタイムカードを差し込んだ。
だが、記録されたカードを見たときそれは出勤時間を過ぎていた。
「えっ?」
かなり驚いてしまい、気が動転した。
慌てて自分の腕時計を確認すれば、やっぱり出勤時間の十分前を指している。
自分の時計が遅れていたのだろうか。
すぐさま壁に掛かっていた時計も見てみた。
だが、その時刻は自分の腕時計と同じ時間を指していた。
ということは、タイムカードの時刻が間違っているということだ。
なぜこんなことになっているのか。壊れているに違いない。
これでは三十分ただ働きになるではないか。
いやいや、その前に店長に報告すればいいことだ。
だから私はこの理不尽な仕打ちに憤り、すぐさま店長の元へと駆けつけた。
「店長、大変です!」
私は機械の間違いで遅刻したと思われたくなかったので、かなり深刻な顔をして報告しようとしていた。
「ど、どうした」
私の切羽詰った顔を見た店長は、何事かと落ち着かない顔を私に向けた。
「時間が――」
そこまで言ったとき、何をどう言うべきなのかわからなくなってしまい、少し間が空いた。
タイムカードを差し込む機械の名称がわからない。
「時間?」
店長は眉根を寄せ、訳が分からず口を半開きにしていた。
それを見ると急に緊張し、早く言わなければならない焦りが出て、ごくりと唾を飲み込み思うままに言葉を発した。
「タ、タイムマシンが壊れてます! 直してください」
「はっ? 直せるかそんなもん……って、お前タイムトラベラーか」
店長に突っ込まれるもしばらく自分が何を言ったのか気がつかないまま、タイムカードに押した時間をくりあげられないと思って悔しく涙目で睨んでいた。
出勤したら、必ず時間をそこに記すために機械に差し込まないといけない。
そして遅刻はもってのほか。
一分遅刻するだけで、三十分の時給が減らされてしまう。
それなら繰り下がって一分余分に退出すればいいと思ってしまうが、すでに働く時間が決められているため許可なくの残業は支払われないことになっている。
ケチ!
遅刻する自分が悪いのではあるが、アルバイトなんだから一分単位で働いた分だけの給料が欲しい。
せめて十分単位でもいい。
三十分単位はとても損した気分でいっぱいになってしまう。
だから私は絶対に遅刻するものかと思っていた。
生真面目でもあるので、出勤時間の十分前にはタイムカードを押していたいと思う。
そのためいつも余裕を持ってバイト先に出勤していた。
今日もいつも通りに出勤時間の十分前にタイムカードを差し込んだ。
だが、記録されたカードを見たときそれは出勤時間を過ぎていた。
「えっ?」
かなり驚いてしまい、気が動転した。
慌てて自分の腕時計を確認すれば、やっぱり出勤時間の十分前を指している。
自分の時計が遅れていたのだろうか。
すぐさま壁に掛かっていた時計も見てみた。
だが、その時刻は自分の腕時計と同じ時間を指していた。
ということは、タイムカードの時刻が間違っているということだ。
なぜこんなことになっているのか。壊れているに違いない。
これでは三十分ただ働きになるではないか。
いやいや、その前に店長に報告すればいいことだ。
だから私はこの理不尽な仕打ちに憤り、すぐさま店長の元へと駆けつけた。
「店長、大変です!」
私は機械の間違いで遅刻したと思われたくなかったので、かなり深刻な顔をして報告しようとしていた。
「ど、どうした」
私の切羽詰った顔を見た店長は、何事かと落ち着かない顔を私に向けた。
「時間が――」
そこまで言ったとき、何をどう言うべきなのかわからなくなってしまい、少し間が空いた。
タイムカードを差し込む機械の名称がわからない。
「時間?」
店長は眉根を寄せ、訳が分からず口を半開きにしていた。
それを見ると急に緊張し、早く言わなければならない焦りが出て、ごくりと唾を飲み込み思うままに言葉を発した。
「タ、タイムマシンが壊れてます! 直してください」
「はっ? 直せるかそんなもん……って、お前タイムトラベラーか」
店長に突っ込まれるもしばらく自分が何を言ったのか気がつかないまま、タイムカードに押した時間をくりあげられないと思って悔しく涙目で睨んでいた。