荷物を準備して再びおばあちゃんの家を後にし、橋場町とは反対側に行くバスに乗った。
これから買い出しに行くようで、今度は私が同行することになった。


「さっきの話なんだけど」

「はい」

「神様とは長く話さない方がいい理由、訊いてもいいかな?」

「ああ、そうですよね。あんな言い方をすれば、ひかり様はご不安ですよね」


「申し訳ございません」と、コンくんがシュンとしたから慌てて首を横に振る。
ただ、周囲の人には聞こえないように、声をひそめることは意識した。


「不安とかじゃないよ! コンくんたちが守ってくれるって言ってくれたし、それは信じてるから。でも、ちょっと気になっちゃって……」

「ひかり様……」


感動したように私の荷物をギュッと抱きしめたコンくんの瞳は、子どもみたいに純粋で可愛らしい。
うんと年上なのはわかっているけれど、母性本能がくすぐられるような気がした。


「えっとですね、話すと言うよりも、関わると言う方が正しいのですが……。別に、必ずしも関わり過ぎてはいけない、ということではないのです。ただ、関わり過ぎることで依存してしまうことがありますので、我々にはそうならないようにする義務があるのです」


わかるような、わからないような……。
そんな気持ちでいると、コンくんが微笑を零した。