「それはよかったです。ですが、この蜜も絶品なのですよ。それも一緒に口にしていただいた方が、きっと雨天様も喜ばれるでしょう」
「あぁっ! 忘れてた!」
ギンくんの言葉に、慌てて蜜が入った小さな器に手を伸ばす。
それを残ったあんみつの上からかけると、とろりとした濃茶色の液体と小さな金箔が絡んだ。
さっきよりもさらにおいしそうに見えた理由は、わからない。
ただ、口に運んだあとの感想は、もうわかっていた。
蜜が絡んだ抹茶色の寒天とバニラアイスを、おもむろに口に入れてみる。
直後、蜜に混ぜ込まれたほうじ茶の香りが鼻からふわんと抜け、咀嚼して飲み込んだあとには思わず感嘆のため息が漏れていた。
どう形容すればいいのか、わからない。
ひとつわかっているのは、このあんみつと蜜は相思相愛なくらいぴったりと合っているということ。
炊きたての白米で握ったおにぎりと海苔、焼きたての食パンとバター、ショートケーキの上に乗ったいちご。
きっと、そのどれよりもベストな組み合わせ。
飲み込んだら、また次が欲しくなる。
そして、またすぐに、この優しくとろけるような甘味を口に運んでしまいたくなる。
うっとりとしたような気持ちで、器と自身の口にスプーンを何往復もさせてしまう。
無心でそうしていた私は、自分自身に注がれている視線なんてちっとも気にする余裕がなかった。
「あぁっ! 忘れてた!」
ギンくんの言葉に、慌てて蜜が入った小さな器に手を伸ばす。
それを残ったあんみつの上からかけると、とろりとした濃茶色の液体と小さな金箔が絡んだ。
さっきよりもさらにおいしそうに見えた理由は、わからない。
ただ、口に運んだあとの感想は、もうわかっていた。
蜜が絡んだ抹茶色の寒天とバニラアイスを、おもむろに口に入れてみる。
直後、蜜に混ぜ込まれたほうじ茶の香りが鼻からふわんと抜け、咀嚼して飲み込んだあとには思わず感嘆のため息が漏れていた。
どう形容すればいいのか、わからない。
ひとつわかっているのは、このあんみつと蜜は相思相愛なくらいぴったりと合っているということ。
炊きたての白米で握ったおにぎりと海苔、焼きたての食パンとバター、ショートケーキの上に乗ったいちご。
きっと、そのどれよりもベストな組み合わせ。
飲み込んだら、また次が欲しくなる。
そして、またすぐに、この優しくとろけるような甘味を口に運んでしまいたくなる。
うっとりとしたような気持ちで、器と自身の口にスプーンを何往復もさせてしまう。
無心でそうしていた私は、自分自身に注がれている視線なんてちっとも気にする余裕がなかった。