「失礼いたします」
あどけない声が耳に届いたのは、コンくんの提案に頷いてからすぐのこと。
小さなお盆を持って部屋に入ってきたのは、コンくんとよく似た顔立ちの男の子だった。
「ようこそおいでくださいました。ギンと申します」
お盆を持ったまま深々と頭を下げたギンくんは、コンくん同様とても丁寧な所作で挨拶をしてくれた。
咄嗟に背筋を伸ばし、頭を深々と下げる。
「えっと、ひかりです……」
「はい。存じ上げております」
「え?」
「我々は、ここにいらっしゃるお客様のことは見えていますから」
はっきりとは言い切られていないけれど、それはつまり私のことを知っている、と言いたげに聞こえた。
まだ信じていなかったコンくんの言葉が、妙に意味を持ったような気がする。
「雨天様特製のあんみつでございます。お好みで、こちらの棒ほうじ茶を混ぜた蜜をかけてお召し上がりください」
スッと私の傍に来たギンくんは、あんみつと小さな器に入った濃茶色の蜜をテーブルに置いた。
金箔が輝き、ほのかに甘い香りが鼻先をそっとくすぐる。
あんみつの器には、透明な寒天とともに、抹茶色とピンク色のもの、みかんやあずきが入っている。
傍らには、バニラアイスとさくらんぼが載っていた。
あどけない声が耳に届いたのは、コンくんの提案に頷いてからすぐのこと。
小さなお盆を持って部屋に入ってきたのは、コンくんとよく似た顔立ちの男の子だった。
「ようこそおいでくださいました。ギンと申します」
お盆を持ったまま深々と頭を下げたギンくんは、コンくん同様とても丁寧な所作で挨拶をしてくれた。
咄嗟に背筋を伸ばし、頭を深々と下げる。
「えっと、ひかりです……」
「はい。存じ上げております」
「え?」
「我々は、ここにいらっしゃるお客様のことは見えていますから」
はっきりとは言い切られていないけれど、それはつまり私のことを知っている、と言いたげに聞こえた。
まだ信じていなかったコンくんの言葉が、妙に意味を持ったような気がする。
「雨天様特製のあんみつでございます。お好みで、こちらの棒ほうじ茶を混ぜた蜜をかけてお召し上がりください」
スッと私の傍に来たギンくんは、あんみつと小さな器に入った濃茶色の蜜をテーブルに置いた。
金箔が輝き、ほのかに甘い香りが鼻先をそっとくすぐる。
あんみつの器には、透明な寒天とともに、抹茶色とピンク色のもの、みかんやあずきが入っている。
傍らには、バニラアイスとさくらんぼが載っていた。