「ああ、やっぱりみたらし団子はおいしいですねぇ」


おやつの時間に響いたのは、コンの明るい声。
ギンは大人しい性格で、私もコンとギンが神使になるまではあまり口数が多い方ではなかった。
そんな私たち三人の中でムードメーカーなのは食いしん坊のコンで、いつも笑いの中心にはコンがいる。


主を失ってひとりぼっちになったあの頃、こんな日々を送ることになろうとは想像もできなかった。
穏やかで、優しくて、温かい時間。


「コンはなんでもおいしいと言うであろう」

「もちろんでございます。雨天様がお作りになられる甘味もご飯も、どれも本当においしいですから」

「今朝の味噌汁はどうであった?」


私の問いに、コンがみたらし団子を持ったまま眉を小さく寄せる。
不本意そうではあるが、程なくして口を開いた。


「……大変おいしゅうございました」


コンは、今朝の味噌汁を作ったのがギンだとわかっていたのだろう。
最近は私とギンが作った味噌汁の違いがわかるようになったらしく、ギンを褒めるのが悔しいとでも言いたげな感情が見え隠れしている。
兄としてギンの料理の腕前が上達していくのは嬉しいが、ギンばかり褒められるのが悔しい……といったところだろうか。