オレンジ色の街灯が一気に減り、人通りもほとんどない。
心細さは膨らんでいくばかりなのに、足は止まらない。
なにを目的にしているのかも、どこに向かっているのかも……。
自分自身でもよくわからなかったけれど、なぜか引き返す気にはなれなかった。
「たぁた、きまっし」
「え?」
不意に聞こえてきたのは、子どものような高い声。
思わず小さな声を上げて辺りをキョロキョロと見回したけれど、子どもどころか人の姿もない。
空耳……だよね?
それにしては、やけに鮮明だった。
そのことに気づいた時、心細さを押し退けるようにして芽生えたのは恐怖心。
さっきまでは怖くなんてなかったのに、まったく人通りのない狭い路地にひとりでいるのだと自覚した途端、途方もないほどの不安が押し寄せてきた。
慌てて踵を返そうとしたけれど、そもそも今来た道をよく覚えていない。
暗い路地をやみくもに戻るのは不安を煽ってしまいそうで、スマホでマップを確認しようとした時。
少し先に明るい光があることに気づき、そこで視線が止まった。
悩んだのは、恐らく数秒だけ。
デニムのポケットから出したばかりのスマホの画面よりも、数十メートル先にある白い光を頼ることにした。
心細さは膨らんでいくばかりなのに、足は止まらない。
なにを目的にしているのかも、どこに向かっているのかも……。
自分自身でもよくわからなかったけれど、なぜか引き返す気にはなれなかった。
「たぁた、きまっし」
「え?」
不意に聞こえてきたのは、子どものような高い声。
思わず小さな声を上げて辺りをキョロキョロと見回したけれど、子どもどころか人の姿もない。
空耳……だよね?
それにしては、やけに鮮明だった。
そのことに気づいた時、心細さを押し退けるようにして芽生えたのは恐怖心。
さっきまでは怖くなんてなかったのに、まったく人通りのない狭い路地にひとりでいるのだと自覚した途端、途方もないほどの不安が押し寄せてきた。
慌てて踵を返そうとしたけれど、そもそも今来た道をよく覚えていない。
暗い路地をやみくもに戻るのは不安を煽ってしまいそうで、スマホでマップを確認しようとした時。
少し先に明るい光があることに気づき、そこで視線が止まった。
悩んだのは、恐らく数秒だけ。
デニムのポケットから出したばかりのスマホの画面よりも、数十メートル先にある白い光を頼ることにした。