コンくんの言う通り、今日のおやつは縁側に並んで座って食べることになった。
夏の陽射しは少しばかり強いけれど、涼しげな風鈴の音がそよぐ風とともに暑さを和らげてくれる。


しかも、今日の甘味は特製のシロップがかかったかき氷だった。
茶色のシロップと練乳、そして炊き上がったばかりの小豆が添えられていて、氷はとてもきめ細かい。


なんでも、氷は庭の最奥にある湧き水から作っているものらしい。
どれだけ食べても頭がキーンとならなくて、いくらでも食べられそうだ。


茶色のシロップはほうじ茶を煮出して作られていて、甘さが控えめの練乳との相性が抜群だった。
そこに炊き立ての小豆も加われば、もう頬が落ちてしまうかと思ったくらい。


「ひかりは本当においしそうに食べるな」

「だって、本当においしいんだもん」

「それほど喜んでもらえると、作り甲斐があるものだな」

「ねぇ、この小豆の炊き方、教えてくれない?」

「なぜだ?」


庭で遊び始めたコンくんとギンくんを横目に切り出してみると、雨天様が不思議そうな顔をした。
理由を言おうとした唇が一度動きを止め、少し悩んだあとで素直に答えを紡いだ。

「なんとなくなんだけどね……。雨天様の小豆の味って、おばあちゃんが食べさせてくれたものと似てる気がするから」

すると、雨天様が目を小さく見開いた。