夏休みもお盆を過ぎた頃、店が一気に暇になった。別段珍しいことではなくて、毎年、この時期は暇な日が多いのだとか。
毎日、午後十時近くまで働いているのに、とうとう今日は八時を過ぎたところで、バイトを上がることになった。私だけじゃない。アルバイトは軒並み退散という運びだ。
たまにはそういう日があってもいいだろう。私は着替えをして、店の敷地の一番端にある従業員用の自転車置き場に向かった。
自転車置き場はいつも閑散としている。中古の車や、家の車を借りてアルバイトに通う人も実は少なくなく、そういう人たちは、従業員用の駐車場に向かうことになる。
結局、この町において、坂の上の店に自転車で通う物好きは珍しいということなんだろう。
自転車置き場に着くと、珍しく先客がいた。
「お疲れ様です」
人影に挨拶をしたものの、相手からの反応はない。
挨拶もできないのかと、先客に対して少し腐してたものの、駐輪場の蛍光灯が切れてしまっていて、顔は判別できない。
不便なので早く取り替えてくれと桜木に再三お願いはしているのだ。しかし、この際だからLEDにしよっかと言い出したまま、一向に先に進む様子はなかった。桜木も当然、車通勤だから、ほぼ漆黒になってしまったこの自転車置き場の不便さが分かっていないのだ。
毎日、午後十時近くまで働いているのに、とうとう今日は八時を過ぎたところで、バイトを上がることになった。私だけじゃない。アルバイトは軒並み退散という運びだ。
たまにはそういう日があってもいいだろう。私は着替えをして、店の敷地の一番端にある従業員用の自転車置き場に向かった。
自転車置き場はいつも閑散としている。中古の車や、家の車を借りてアルバイトに通う人も実は少なくなく、そういう人たちは、従業員用の駐車場に向かうことになる。
結局、この町において、坂の上の店に自転車で通う物好きは珍しいということなんだろう。
自転車置き場に着くと、珍しく先客がいた。
「お疲れ様です」
人影に挨拶をしたものの、相手からの反応はない。
挨拶もできないのかと、先客に対して少し腐してたものの、駐輪場の蛍光灯が切れてしまっていて、顔は判別できない。
不便なので早く取り替えてくれと桜木に再三お願いはしているのだ。しかし、この際だからLEDにしよっかと言い出したまま、一向に先に進む様子はなかった。桜木も当然、車通勤だから、ほぼ漆黒になってしまったこの自転車置き場の不便さが分かっていないのだ。