放課後、私は自転車を漕いでいた。三段変速のシティサイクル。電動アシスト機能はついていない。入学当初はバスを利用して通学していた。バイトをするにあたり、今度は電車がネックになった。かなり遠回りすることになるのだ。
バイト先に向かう以外にもこの先、必要になるだろうと一念発起して自転車を購入に至ったのだ。
休みの日、一度、学校からバイト先までその自転車を漕いでみた。すると電車を使った場合の約半分の時間でたどり着けることが判明した。
善は急げとばかりに、すぐに学校に申請を出し、既に自転車通学の許可ももらっている。
バイト先は丘の上にあるから当然と言えば当然だが、最後の最後に急な上り坂がある。ありきたりではあるが、私はここを心臓破りの坂と命名した。
サドルからお尻を上げて立ちこぎに変える。いくら若いといったって運動不足の身だ。荒く息が切れ始めたころ、ようやくバイト先が見えてくる。
ヘロヘロになりながら、私は自転車から地面に降り立った。この坂もしばらくすれば少しは慣れるだろうかなんて考えながら、自転車を引く。
呼吸が少し落ち着いた頃、私は立ち止まった。振り返れば少し遠くに海が見えた。
バイト先に向かう以外にもこの先、必要になるだろうと一念発起して自転車を購入に至ったのだ。
休みの日、一度、学校からバイト先までその自転車を漕いでみた。すると電車を使った場合の約半分の時間でたどり着けることが判明した。
善は急げとばかりに、すぐに学校に申請を出し、既に自転車通学の許可ももらっている。
バイト先は丘の上にあるから当然と言えば当然だが、最後の最後に急な上り坂がある。ありきたりではあるが、私はここを心臓破りの坂と命名した。
サドルからお尻を上げて立ちこぎに変える。いくら若いといったって運動不足の身だ。荒く息が切れ始めたころ、ようやくバイト先が見えてくる。
ヘロヘロになりながら、私は自転車から地面に降り立った。この坂もしばらくすれば少しは慣れるだろうかなんて考えながら、自転車を引く。
呼吸が少し落ち着いた頃、私は立ち止まった。振り返れば少し遠くに海が見えた。