ようやっと解放され、は大きく大きく息を吐く。
しかし、そう安々とことは運ばなかった。突然、ピーッという電子音が鳴り、男がウオッともオワッとも取れる声を出し、キーボードを連打したのだ。
恐らくは十数回は連打したと思う。
やがて、よしと男は言って、キーボードから指を離した。
「何か……あったんですか?」
「ん? あぁ……時々、画面が固まる時があんだよ。一からやり直したらまた1時間以上かかっちまう。エンターキーを連打したら進むから大丈夫だ」
何が大丈夫か分からない。根拠のない対処療法に不安を掻き立てられる。
「本当に大丈夫なんですか?」
「今まで何時もこれで切り抜けてるから大丈夫だって」
男はどこ吹く風で、ほら、嬢ちゃんのこれから生きるべき人生が出てきたぞと、余裕綽々《よゆうしゃくしゃく》な態度でいたものの、次の瞬間には、男は訝しげな表情を浮かべて画面に顔を近づけていた。
しかし、そう安々とことは運ばなかった。突然、ピーッという電子音が鳴り、男がウオッともオワッとも取れる声を出し、キーボードを連打したのだ。
恐らくは十数回は連打したと思う。
やがて、よしと男は言って、キーボードから指を離した。
「何か……あったんですか?」
「ん? あぁ……時々、画面が固まる時があんだよ。一からやり直したらまた1時間以上かかっちまう。エンターキーを連打したら進むから大丈夫だ」
何が大丈夫か分からない。根拠のない対処療法に不安を掻き立てられる。
「本当に大丈夫なんですか?」
「今まで何時もこれで切り抜けてるから大丈夫だって」
男はどこ吹く風で、ほら、嬢ちゃんのこれから生きるべき人生が出てきたぞと、余裕綽々《よゆうしゃくしゃく》な態度でいたものの、次の瞬間には、男は訝しげな表情を浮かべて画面に顔を近づけていた。