それからしばらくして美桜を伊藤氏の知り合いのご婦人に預け、刑務所に行った。もちろん親子などとは名乗れない。以前、お世話になり、どうしてもお礼を言いたいということで取り次いでもらったが、以前占ったお客さんだと思うが、会う理由もないし、会いたくもないと突っぱねられ、面会は叶わなかった。
それ以来、手紙を書くことにしている。近況と、何より母が守ってくれた美桜の姿を見せるための写真を同封して。
あの時、母が私を止めなかったら、私は古川を刺していた。そうなったら、いかなる方法を使っても、私は美桜は堕ろしていただろう。私と同じ思いだけはさせたくないからだ。
母は美桜の命の恩人だ。彼女が守った命がどのように成長したかを知ってほしい。
手紙が本人の手に渡っているかは分からない。聞いたところによると、刑務所の中では、近親者のリストに載っていない場合、差出人との関係を問われ、問題なしと判断された場合にようやく差出人の手元に届くという。
送った手紙は戻ってきてはいないが、母の手元に届かない、もしくは母が突っぱねた手紙がその後どうなるかは分からない。廃棄処理されている可能性だってあるのだから戻ってこない=届いていると安易に結びつけるわけにはいかない。
それでも母が手紙を読んでくれていると信じて、美桜の写真を笑いながら眺めてくれていると信じてせっせと送り続けている。
それ以来、手紙を書くことにしている。近況と、何より母が守ってくれた美桜の姿を見せるための写真を同封して。
あの時、母が私を止めなかったら、私は古川を刺していた。そうなったら、いかなる方法を使っても、私は美桜は堕ろしていただろう。私と同じ思いだけはさせたくないからだ。
母は美桜の命の恩人だ。彼女が守った命がどのように成長したかを知ってほしい。
手紙が本人の手に渡っているかは分からない。聞いたところによると、刑務所の中では、近親者のリストに載っていない場合、差出人との関係を問われ、問題なしと判断された場合にようやく差出人の手元に届くという。
送った手紙は戻ってきてはいないが、母の手元に届かない、もしくは母が突っぱねた手紙がその後どうなるかは分からない。廃棄処理されている可能性だってあるのだから戻ってこない=届いていると安易に結びつけるわけにはいかない。
それでも母が手紙を読んでくれていると信じて、美桜の写真を笑いながら眺めてくれていると信じてせっせと送り続けている。