古川の悲鳴が響き渡り、少し離れたところにいた釣り人そのが悲鳴を聞き、走り寄ってきた。

「おい、人が刺されたぞ!!」

 その声に反応してぞろぞろと人が集まってくる。

「誰か110番を。いや、119番が先だ!!」

 グッタリした古川が天を仰いで倒れている。その傍らで占い師は呆然と立ち尽くしていた。

 私が見ていられたのはそこまでだ。逃げるように漁港を後にして、気づけば駅前に突っ立っていた。