その盛り上がりは凄まじく、それに倣って類似する他の記事が出始め、どんどんと拍車をかけていった。

 遠巻きに私たちを眺めるだけで済んでいた人たちも、次第に距離を保つだけでは安心できなくなり、私たちを排除するという方法を打って出るようになった。落書き、電話、窓ガラスを割るなどなど。
 
 全てが古川から始まっている。事件ばかりか、あの嘘だけらの記事さえも。

 バイト中に注意されたことへの鬱憤というくだらな過ぎる理由が事件の発端だなんてふざけ過ぎている。それなのに殺しても尚、その恨みは晴れず、加害者であるという汚名まで着せた。

 ――腐っている。古川という男の性根は心底腐ってる。

 許せない。許せない。許せない。許せない。許していいはずがない――絶対に。

 罪を犯した人間にはそれ相応の報いがあって然るべきだ。

 気づけば、私は陵の家を飛び出していた。