探偵がかき集めてきた情報で形成された古川雄大という男の人となりは最悪の一言だった。

 もちろん例え万引きを繰り返したからといって、強請りやたかりがルーティンワークになっているからといって、必ずしも人を殺めるということにはならない。しかし異常なほどに擁護された末に作り上げられた歪んだ人格の末路は、やはり殺人という形に帰着するような気がした。

 顔をしかめ、それでも私はページをめくる手を止めなかった。
 
 2ページほどめくったところで私に電流が走った。

 茄子のような顔型。垂れ目で少し離れている 古川の顔写真。

 私はこの顔を知っている。

 私の記憶よりも若い。大学生なのだから当たり前だ。それでも特徴は色こく残っている。

 古川は――今田だ。港で会って、私をしつこく誘ってきたあの男。粘着質で、自分の思い通りにならないと気が済まない。今から思えばそんな性質が滲み出ていた。
 
 激しく指が震えた。もうページをめくるのを止めてしまおうかと思ったが、それでも次に進んだのは残りのページが少なかったからだ。

 次に目に飛び込んできたのは、あの雑誌の記事だった。