今度は簡単に蓋が開き、10円玉を十枚ほど出して、貯金箱の隣に置く。とりあえず硬貨を3枚ほど投入した。
鞄からチラシの紙を取り出して広げる。間違えないように末尾に記載されている携帯番号を一つ一つ確かめるようにダイヤルする。
緊張で喉がカラカラだった。通り端にコンビニがあったのを思い出し、途中でお茶でも買えばよかったと思ったものの後の祭りだ。もちろんこの期に及んで戻る気にもならない。
受話器越しの呼出音が鼓膜を刺激する。1回……2回……3回。心臓の鼓動が耳の奥で響いていた。
ブツッ。その時、相手が電話を取った。
「あ……あの……」
返事がない。
「……もしもし」
相手は携帯電話だ。電波状況でも悪いのかもしれないと思い、何度かもしもしを繰り返す。
鞄からチラシの紙を取り出して広げる。間違えないように末尾に記載されている携帯番号を一つ一つ確かめるようにダイヤルする。
緊張で喉がカラカラだった。通り端にコンビニがあったのを思い出し、途中でお茶でも買えばよかったと思ったものの後の祭りだ。もちろんこの期に及んで戻る気にもならない。
受話器越しの呼出音が鼓膜を刺激する。1回……2回……3回。心臓の鼓動が耳の奥で響いていた。
ブツッ。その時、相手が電話を取った。
「あ……あの……」
返事がない。
「……もしもし」
相手は携帯電話だ。電波状況でも悪いのかもしれないと思い、何度かもしもしを繰り返す。