「でしょ? 他にもお勧めの店たくさんあるんですよ。まだこちらにいます?」
「残念ながら今日、ここを離れます」
「でしたら連絡先教えて貰えませんか? 是非、お勧めの店を紹介したいので」
今田のしつこさに閉口してしまう。
「多分、この地方に来ることはないと思うので、教えて頂いてもムダになっちゃいます」
「大丈夫です。実は私、海鮮丼を食べ歩くのが趣味でして。日本全国津々浦々、オススメの店知ってるんですよ」
食いついたら離れない、スッポンのような男。寒気を通り越して恐怖さえ感じるようになっていた。
「博子、何してるんだ?」
その時、どこからか声がした。博子という現時点での私の名前を呼ばれているのに、プチパニックに陥っていた私はピンと来なかった。
「おい、博子、聞いてるのか?」
ニ度目で、ようやく自分が呼ばれていることに気づき、声の主の方に目を向ける。
「残念ながら今日、ここを離れます」
「でしたら連絡先教えて貰えませんか? 是非、お勧めの店を紹介したいので」
今田のしつこさに閉口してしまう。
「多分、この地方に来ることはないと思うので、教えて頂いてもムダになっちゃいます」
「大丈夫です。実は私、海鮮丼を食べ歩くのが趣味でして。日本全国津々浦々、オススメの店知ってるんですよ」
食いついたら離れない、スッポンのような男。寒気を通り越して恐怖さえ感じるようになっていた。
「博子、何してるんだ?」
その時、どこからか声がした。博子という現時点での私の名前を呼ばれているのに、プチパニックに陥っていた私はピンと来なかった。
「おい、博子、聞いてるのか?」
ニ度目で、ようやく自分が呼ばれていることに気づき、声の主の方に目を向ける。