指の延長線上には、食事処ののれん。
「夜6時以降なら開いてるよ。料金は別だけど」
やはり素っ気ない態度に辟易した。
分かりましたと、私も最低限の愛想で返事すると鍵が手元に置かれた。
今時のカードキーではなく、ただの鍵。鍵に部屋番号の札がつけられているからか、男はさっさとカウンターの奥の事務所のような部屋に入っていってしまった。
案内くらいしてよ。喉元までそんな言葉が出かかったが、あんな嫌々な態度で案内されても、気分を害するだけだ。一つため息をつき、私はもう一度鍵に目を落とした。
鍵の札には303の記載。さして大きな建物でもないのだから、3階に上がりさえすればすぐに見つかるだろうと高をくくり、私は視界の端に見えていたエレベーターに乗った。
いつ止まってもおかしくないくらいの異音と振動を従えながらエレベーターはなんとか3階まで上ってくれた。中に閉じ込められてはたまらない。次回からは階段にしようと心に誓う。
エレベーターを下りた正面の壁に、簡単な案内が貼られていたため、部屋を見つけるのは造作もなかった。
鍵を開け、部屋に入る。
期待はしていなかったが、想像よりは清潔な部屋だった。目立つような埃が積もっているわけでもなく、ベッドのシーツもちゃんと取り替えられている。トイレとお風呂は狭いユニットバスだが、あるだけマシといったところか。
「夜6時以降なら開いてるよ。料金は別だけど」
やはり素っ気ない態度に辟易した。
分かりましたと、私も最低限の愛想で返事すると鍵が手元に置かれた。
今時のカードキーではなく、ただの鍵。鍵に部屋番号の札がつけられているからか、男はさっさとカウンターの奥の事務所のような部屋に入っていってしまった。
案内くらいしてよ。喉元までそんな言葉が出かかったが、あんな嫌々な態度で案内されても、気分を害するだけだ。一つため息をつき、私はもう一度鍵に目を落とした。
鍵の札には303の記載。さして大きな建物でもないのだから、3階に上がりさえすればすぐに見つかるだろうと高をくくり、私は視界の端に見えていたエレベーターに乗った。
いつ止まってもおかしくないくらいの異音と振動を従えながらエレベーターはなんとか3階まで上ってくれた。中に閉じ込められてはたまらない。次回からは階段にしようと心に誓う。
エレベーターを下りた正面の壁に、簡単な案内が貼られていたため、部屋を見つけるのは造作もなかった。
鍵を開け、部屋に入る。
期待はしていなかったが、想像よりは清潔な部屋だった。目立つような埃が積もっているわけでもなく、ベッドのシーツもちゃんと取り替えられている。トイレとお風呂は狭いユニットバスだが、あるだけマシといったところか。