2ページ目以降に答えがあった。その地点で何日過ごすか。さらにその地点で何をして過ごすか。動物園、植物園、水族館。その地方の風光明媚な場所や有名な寺社仏閣まで。まるで観光案内の装いで記されていて、丸囲み数字で、地図のページと紐づけられている。
 
「その場所での滞在日数だけは守ってくれ。その地点のどこに行くかは、まぁ、俺のオススメ程度だと考えてくれて構わねぇ。毎日、宿でボーッとしていても面白くないし、宿の人間に訝しがられる可能性もある。下手にあれこれ聞かれたくないだろ? 予定を守ってくれたら、俺があんたの居場所を把握できて助かる」

 私はただただうなずく。

「それと逃避行を続けている間は、この名前と住所を使ってくれ」

 さらに小さな紙を手渡される。

 鈴木博子《すずきひろこ》。住所は都内。電話番号は携帯番号。
 
 私は紙の内容と佐藤を見比べる。

「ありきたりな名前だろ? もちろん分かりやすく偽名だ。田中伊織でいたら、足跡残すことになるしな」

 偽名を使い続けることに抵抗がないかと言われれば嘘になるが、確かになりふりかまっていられない。