グループごとに出された課題とそれに対する解決策を発表し、その日の研修は終わった。

 次の日はオリエンテーリングだった。地図を手にナビするもの。コンパスで方角を確認するもの。私はただ足を引っ張らないように必死になってついていった。

 汗だくでクタクタになったものの、和気あいあいとして楽しかった。

 しかし研修はあくまで研修だ。楽しいことばかりではない。

 準備期間たった3日で、祭を開催するという無謀ともいえる課題が出された。出店《でみせ》や舞台での催し物。近所への宣伝。さらには収支の計算も含めて、最終結果を会社へ報告書を提出しなければならない。

 皆、ほとんど初対面のような者同士の中、役割分担が肝になる。企画を考えるもの。売り物など物資を調達するもの。やらなければならないことは無数にある。タイムリミットが近いため、諦める企画も出てくる。

 私は表に出るのが苦手だったこともあり、金銭の流れを管理することにした。