ポストの前から部屋に戻ってきた私は、もう一度、ナメんなとつぶやいて、しわくちゃになってしまったチラシをテーブルの上に置いた。

 いかにも安い再生紙に、一昔前のものであろうドットの荒い印字。

 "新しい人生"という文言がとにかく眩しい。すぐにでもすがりつきたくなる。

 でも、最後の最後、そこまで突っ走れないのは、このチラシには何一つ具体的なことが書かれていないからだ。

 そもそもこのチラシの言う"新しい人生"とは何なのか。会社名も担当者名も無記載で、080から始まる携帯電話と思しきものが辛うじて末尾に記されているだけというお粗末さがただただいかがわしい。